たいむ通信 創刊号

ご挨拶

理事長 若林 敬子

今年度4月より新たに出発しました「社会福祉法人たいむ共生会」です。約20年前にハローハンディキャップ・タイムが誕生し、我が子のハンデのあることを「ハロー」と言ってしっかり受け止め、前向きに考えることから始まり、その後過ぎゆく時間(タイム)をそれぞれの成長に合わせてゆっくり刻んでいくように名付けましたが、事業を進めていく中で「人は、支え合い・助け合う中で共に生きている」ということを痛切に感じました。その思いを共生会という法人名に託しました。

さて、20年近く支援に携わっていると未就学児だった利用者も成人を迎え成長期・思春期と時を経て大きく成長してきています。毎日の変化は一進一退にしても長い月日には大きく成長が見られるので、あせらず・めげず・ゆっくりと利用者に向き合い寄り添っていくことが大事だということを肝に銘じ法人運営に携わって行こうと思っています。

ところで、寄り添う支援とは、どういうことでしょうか? 支援者のプライドや肩書を無くし、同じ立場で考え行動することだと思います。

たいむは、「肯定語を使いながら、穏やかに諭すもしくは、注意する」を原則に「呼び捨て・叱る・命令する・怒る」は、絶対にしないことを職員全体で共有しています。ときとして、支援から指導に変わってしまいがちですが、あくまでも支援をさせてもらっているという認識のもと謙虚な気持ちで利用者様に接していくことが重要だと思っています。

また、日常事故にまではならないまでも、 ヒヤリハットや利用者様からの苦情等は、それぞれすぐに報告・検証していくことで虐待防止、または差別解消につながるものと思っています。

コロナ禍の真只中のスタートで、なかなか公にご挨拶できませんでしたが、「たいむ」の基本理念は変わらず継承し、『寄り添う支援』を基本に、あせらずゆっくり進んでいきますので今後とも宜しくお願いいたします。

楽しい時間と居場所づくり(時と場あい)

理事・デイ統括責任者 (F)

かつて、他事業所のディサービスに通所していた息子には、幾つか課題がありました。1つは学校給食を含み、食事の事でした。朝早くに起床するも学校への出発が気になるのかほとんど食事をとらず、また大人数で一緒の同じ場所で飲食する学校給食も苦手で1週間を通して自宅に帰るまで食べることが出来ない事が多くありました。唯一、学校早帰りのタイム支援でゆっくり静かな空間を見つけては食する事で何とかバランスを保つことが出来ていました。

またそのころ通所していたデイサービスは、1日のスケジュールが決められており、その時間割のような表に沿って作業をする見通しをたてたものでした。親としては、皆と同じように行動し同じように出来ることを望んでいて、出来ることが少しでも増えればと思っていました。みんなと同じように出来なかったり無関心だったと話を聞くと、「何故出来ないのか」と悩み、時には苛立ちさえ抱え込み八つ当たりもして、今思うと悪循環極まりない状況でした。当時は、「子どものため」と先々を誰よりも心配したり、一生懸命なつもりで計らいをしましたが、それは私自身の安心を保持したいだけだったと今は思います。

このような状況が続いたある日、デイサービスのお迎えに行った帰り道に、とうとう息子が爆発的行動を起こしてしまいました。うすうすは気づいていたものの、私や彼を取り巻く大人の決めた型の中で過ごす時間に限界を感じたのだと思いました。

この時期がきっかけとなり、考えに考え、そしてまた考えて白紙にもどした答えは明日の事ではなく、「今日という日が楽しかったのか、嬉しい事が見つけられたか」~彼の時間をもう一度、そして意思を何よりも1番に尊重した生活を見つめ直すことにたどり着きました。これまでお世話になったデイサービスを辞め、『タイムこどもデイサービスりずむ』に受け入れてもらえる事になり、私と息子の再出発が始まりました。

りずむでの時間で私からお話をしたのは、あれこれと希望は確かにありますが「本人が自分らしく、安心して楽しく過ごせれば、それで充分です。」とお伝えしたと記憶しています。冒頭でも書きましたように、相変わらず朝・昼と食すことが出来ないままに学校を終えて『りずむ』へ行っていた時、他のお友だちがまだ到着しない時間に、おやつが待てない様子を見た先生が「内緒だよ。1つ選んでいいよ」と缶に入っているお菓子を差し出し、その中から自分で選び取り、こっそりと食べさせて下さったそうです。その事を面談の時に伺い、心の底からここ(りずむ)に来て良かったと、私が思うと同時に息子も同じように感じていると思いました。

また、多くの方が知っている事ですが、「ティッシュちぎり」。ひどいときは、床一面を雪が降ったかのように小さく丸めては落とす、を繰り返す行動がある息子の様子を観察していた先生が、「黒い紙にのりを塗り、その上に丸めたティッシュを降らせるとアートにならないかなぁと思っていたりします」と。さすがにアート展に出すような作品にたどり着けませんでしたが、ゴミと化した紙くずを迷惑とも思わず、またその行動を直そうと言う事でもなく、「そこから何か芽生えたら?…面白いですよね」って。~微笑みながら話をしてくださり、聞いている私がまさかの発想と発言に驚き、と同時に楽しい気持ちになり、私自身の心の棘が「すうっ」と優しく消えていった感覚を今でも忘れておりません。

こうした問題とされがちな行動や共同生活の中で、不具合も多くあったはずですが、止める事も・奪い取ることもせずに、ほんわかした感覚とゆったりとする時間を提供して下さいました日常の1日、1日が積み重ねとなり、息子なりに人とのかかわり方が育ったのだと強く思います。

10年も前の話でしたが、今も当時息子に携わって頂いたパートナーさん、デイサービスの方が現役で『たいむ共生会』で活躍しておられます。ついつい、欲張りな気持ちにかられてしまいがちですが、これまでの親としての思いと息子に教えられた事、少しずつ「親子の関係」まで気づかされて行くきっかけを頂いた職員皆さまからの【寄り添う心】を大切に持ちあわせ、これからも出会う方々と共に、一人ひとりの時間の歩みにご一緒させていただきたいと思います。

ツリーぴあ
コロナ禍の中でも元気に

ツリーぴあ管理者 (T)

令和2年もあとわずかで過ぎようとしていますが、今までに経験をした事のない1年となりました。来年は少しでも落ち着くことを願うのみです。「ツリーぴあ」での活動も新型コロナウイルス感染症等により、どうしても制限をしなくてはならなくなり、その状況は未だに続いています。また、毎年開催され楽しみにしていたイベント等も次々と中止になってしまいました。

そんな中でも利用者の皆様は元気に登所されています。予防対策がしっかりとなされているからだと思います。「ツリーぴあ」でも、これまでの感染症対策を継続しながら、更に工夫を重ねていきたいと考えています。

【作業の様子】

体力づくりでは人の少ない公園等に出掛けるようにしています。自粛とはいえ公園には人出が多く見られた時もあり、駐車場を通り過ぎて別の公園へ行ったこともあります。

室内ではおかげさまで作業も捗り、いつもより多くの「ぴあ製品」が出来上がっています(ご希望があればいつでもお声を掛けてください)。

水耕室では「ぴあ菜」が順調に育ってくれています。お店への配達もしています。よろしかったら行ってみてください(久喜北小近くの「やさいcafeび~んず」さん、幸手警察署近くの「ブルトン」さん)。ぴあ菜がたっぷり入っていて美味しいです。また、各事業所の方々には、ぴあ菜の売上にいつもご協力を頂きありがとうございます。

師走、何かと時間に追われる時期に入りますが、体調にはくれぐれもお気を付けてお過ごしくださいm(_ _)m 新しい年に向けて、どうぞお身体をご自愛ください。

令和3年も今年同様に、利用者の皆様と私達支援員を温かく見守って頂けたら幸いです。よろしくお願いいたしますm(_ _)m

わかば
愉快な6人の仲間たち!

わかば管理者 (T)

わかばでは、「笑顔がいっぱい、楽しい、幸せな生活を!」を願いに取り組んでいます。今通信は、「わかば」の6人の生活の一端を紹介します。

事業所からセレナで送迎のさい、高速道路の陸橋の頂点に達すると、わかばの方角を指差し教えてくれる(Y)さん。ホームに帰るとリビングの椅子に座って連絡帳を出し、一日の様子を見せてくれます。そして、今は、明日の着替えの準備と自分のタオルを畳むことにチャレンジしています。

(S)さんは、自室の鍵の管理をしています。食事中や入浴の時は、鍵を首にかけて持ち歩いたり、自室に置き場所を決めたりして、鍵を使うことの意識が芽生えてきているよう感じています。

(F)さんは、音楽を聴くことがとても好きなようです。幼児期の体験があるのでしょうか。「わかば」では、自室でメロデオンを引いて過ごしたり、CDを聴いている時間が長くなりました。時折、支援者が様子を見に行くと、手で「あっちへ行って」とサインを送ります。

(W)さんは、支援者等と会話するのが一番楽しそうに見えます。会話は、殆どが(W)さんからの質問から始まります。一問一答、説明・解釈を求める質問、用語や人物等にまで及びます。支援者もネットで調べたり、即答に窮したり様々なコミュニーケーションをすることになります。最近では、話をする相手に応じて質問する内容を選別しているような様子さえ見せます。会話が気分のバロメーターとなっている面もあります。

(H)さんは、「わかば」のムードメーカーです。食事の時の配膳のお手伝い、おやつの時間の他の利用者への気配りなど、男女の共同生活(わかば)で欠かすことのできない大きな存在となっています。今、圧巻は、夕食後のダンス演技です。リビングのフロアー全面を使い、曲目「パプリカ」を躍動感溢れんばかりに体を動かしています。

生活のリズムを重視している(Y)さん。特に、リハビリでは事業所と「わかば」両方での運動機能の回復に取り組んでいます。今では、順調に進んでいることを、(Y)さんが帰所したときの表情や動作等で感じ取ることができるようになりました。写真撮影や音楽にとても関心があり、(Y)さんが撮影した四季の風景は、市役所のロビーに展示するようにまでなりました。時々、自室から、発声訓練をしている声も聞こえてきます。

ゆっく
それぞれの確かな成長!

ゆっく管理者 (U)

たいむ共生会になり8ヶ月が過ぎしました。生活面は今までと変わらないのでお子さん達はのびのびと毎日を過ごしています。

ゆっくには、利用されるお子さんの身体に合わせて、いろんなサイズの椅子と机があります。そのお子さんの身体のサイズに合わせて、食事の時など選んでいます。足がブラブラすると落ち着かないので足の裏がしっかりと床に付く椅子を用意しても、「○○ちゃんと同じのがいい」とサイズの大きい椅子を自分で持ってきた時は、ダメと言わず台を置いたりと工夫して、本人の意志も尊重しています。赤ちゃん用の椅子が、いつの間にか小さくなったときや膝が机に当たるようになってきた時は、お子さんの身体の成長を感じます。

余談ですが、電話機は配線の関係からどうしても事務室に置けず、プレイルームにあります。以前はお子さんの手が届くところにありましたが、お子さんの身体の成長とともに段々と高い位置になり、今はスタッフも受話器を取るのに踏み台を使ったりしています。(笑い)

洋服や家具で、お子さんの成長を感じたりしますが、今までできなかったことが興味や関心を持ち始めたことにより、できるようになり遊び方にも変化が見え成長を感じる時があります。滑り台の階段を一段登ると降りてしまうお子さんが、一番上まで登ったときや、靴を履くのに玄関で座ったままのお子さんが、自分で靴を持ってきたりと、スタッフはどんな小さな成長にも大喜びをしています。お子さん達それぞれ成長のスピードは違いますが、みんな、ゆっくりと確かに成長をしています。周りの大人達は焦らず見守ってあげることが大事なんだと思っています。

めろでぃ
ポジティブな声掛けを大切に!

めろでぃ管理者 (T)

今年度よりめろでぃの管理者になりました(T)です。タイムでのお仕事は今年で10年目になり、日々楽しくお仕事させていただいています。利用者さん、利用者さんのご家族、一緒に働くスタッフ等、たくさんの人に出会い、いろんな考え方に触れ、自分自身少しずついろんな経験を積み重ねる事が出来ていると感じています。

4月、めろでぃでの仕事が始まり、子どもたちとどう関わっていこうか、改めて考える日々でした。また、放課後の時間をどう過ごす時間にしていくのかを考えるきっかけにもなりました。安心して、自分らしく過ごせる時間を土台に、たくさんの人と出会い、関わり、学校・家族以外の人たちからも褒められたり、認められたり、またお友だちと遊ぶ中で物の貸し借りや順番などのルールを知っていく等、本当にいろいろな事が考えられると思います。

また、小さな成功体験の積み重ねがその子の自信となり、新しいことにチャレンジする前向きな気持ちにもつながっていくと考えています。遊びや関わりの中で、「今日はこんなことができたね!」「今日は一緒に〇〇して楽しかったよ!」「〇〇してくれて助かったよ」「ありがとう」等のポジティブな声掛けを大切に、日々過ごしていきたいと思います。

「ありがとう」の言葉はスタッフ間でも大切にしていきたい言葉です。私がタイムでお仕事を続けてこれたのも、周りのスタッフのみなさんに支えられてきたからだと思います。感謝の気持ちを忘れないこと、日々の支援のことを相談し合える関係づくりを今後もつくっていき、支援に活かしていきたいと考えています。

これからも、支援のことだけでなく色んな人と関わる中でたくさんの事を学び、知っていきたいと思います。今後もよろしくおねがいします。

りずむ
安心・安全・自尊・自由・信頼

りずむ管理者 (N)

4月にNPO法人ハローハンディキャップタイムから社会福祉法人たいむ共生会に変わり、それを機に私もかのんから異動になり、りずむの管理者になりました。当初はコロナの影響で子ども達は全員揃うこともできず、少し寂しいスタートでした。その後、徐々に子ども達も増え始め、今は全員揃って元気に活動しています。

私は長い間、中高生の子ども達と接して来またので、小学生が多いりずむの子ども達とどの様に接したら良いのか不安がありました。ですが、子ども達と会って感じたのは、年齢に関係なく子どもと接する上で大切なことは変わらないということです。

それは、タイムこどもデイサービスの理念の「安心・安全・自尊・自由・信頼」~これをいつも心に留めて子ども達と接することが必要だと改めて思います。先日の研修で子ども『に』話を聞くのではなく、子ども『の』話を待って聞くというお話がありました。その際、子どもの言葉に共感し、気持ちに寄り添うこと。そして、子どもの「自立」には大人はゆとりを持って「待つ」ことが大事だということでした。

私達は、一人ひとりの子どもにとって貴重な成長期に立ち合わせてもらっています。子ども達に安全な環境を整え、りずむは楽しく安心して居られる場所だと思ってもらえるように、これからもスタッフの皆んなと協力して努めていきたいと思います。どうぞ宜しくお願いします。

かのん
3人の管理者から学んだこと

かのん管理者 (Y)

皆様こんにちは。今年の4月からかのんの管理者をさせて頂いている(Y)です。社員の(S)さん、社員の(K)さん、常勤パートの(I)さん、女性スタッフのみなさんに助けられながら、頑張らせて頂いております。

コロナの影響で今までの(当たり前)が、そうではなくなり、子どもたちの自粛も多くなり、今までとまったく別の世界のようになってしまいました。が、みなさまのご協力、スタッフ達の協力のもと、感染予防対策を日々しながらではありますが、現在はようやく子どもたちもスタッフも以前と変わらず活気づいてまいりました。とは言え、まだまだコロナが終息していないので、日々感染予防対策を怠らず活動していきたいと思っています。

わたしがタイムにお世話になって、気がつくと10年以上が経過しておりました。これまでタイムで本当にたくさんの出会いと別れを経験してまいりましたが、今回は良い出会いと良い影響を受けた、『かのん』の先代の管理者3人のお話しをさせていただきたいと思います。

さて、これはタイム共生会になる前の話ですが、わたしが一番最初にタイムにお世話になる時に、タイムをどうして作ったか?~その思いやタイムの理念である「ノーマライゼーション」の精神や子どもたちの個性を尊重すること、子どもたちがのびのびと自由に、ゆっくりと成長していけるように!とのお話しを聞き、少し興味を持ち、まず『ゆっく(現在かのん)』でお世話になることになりました。

この時に(I)先生に初めて出会い、色々学ぶ事になりましたが、この時の率直な感想は「なんか自然だな」と感じました。(I)先生は強制せず、いわゆる薀蓄を語ることもなく自然体で子どもたちと接しておられたので、子どもたちがとても明るく元気で楽しそうにしていました。あとはとにかく【待つ】人でした。何かを無理やりやらせるのではなく、自然に本人達が納得するまで待っていました。のんびりしているのかと言われるとそうでもなく、危険な時は誰よりも早く駆けつけていました。先生は人の痛みをわかってくれる方でしたが、先生いわく「自分は結構、短気な性格なんだよね~」と笑っておられました。わたしにも人生のアドバイスをよくしてくれました。

2人目の管理者(H)さんは、とにかく強く、真っ直ぐで真面目で、なんでもできる管理者でした。子どもと正面から向き合い、話を聞き、子どもたちの気持ちを理解したうえで、自分の気持ちも相手に伝えていく人でした。また子どもたちだけではなく、スタッフも(H)さんに色々相談している人もいました。わたしも(H)さんとは色々な話をしたり、相談に乗っていただきました。今は休業していますが、必ず戻ってきてまた色々助けてくれると思います。子どもたちも(H)さんが復帰するのを、まだかまだかと待っています。

そして3人目の管理者の(N)さんは、とにかく子どもたちが(N)さんのところに集まってくるので、管理者になられる以前から「すごいな」と思い、勉強させていただいていました。まず誰に対しても優しいのですが、時には厳しく、そして自分の考えと信念を大切にする方でした。子どもたちとの信頼関係がきちんと出来ているので、子どもたちにも響きます。【信頼関係を作る】というのは、とても難しい事です。ただ長い年月子どもたちと過ごせば信頼関係が生まれるものでもないので、わたしも日々模索しています…。

この3人の管理者の一番近くに居たのは自分だけですので、とても大きい事ですし、影響があると思います。わたしは、まだまだ未熟者ですが、昔の自分のように、これから新しくかのんで出会う人達に悪い影響を与えるような事がないように、初心を忘れずに日々精進していきたいと思います。

障害福祉
共助

障害福祉サービス管理者 (T)

たいむ共生会の始動と共に、コロナの感染拡大が始まり、コロナに対する畏怖→自粛→緊急事態宣言→ステイホーム→新しい生活様式→GoToトラベル・GoToイート→コロナ感染拡大→再度自粛…と私たちの生活環境は、目まぐるしく変化して来ました。

その中で、ご利用者様の支援をいかに安心で安全に遂行していけるかを、常に模索して参りました。職員並びにパートナーさんの不要不急の外出を避ける行動は勿論、感染拡大防止の為の消毒・手洗い・うがいの徹底・マスク着用の義務等、ご利用者様にもご協力頂き、ありがとうございました。

特に外出時は3密を避け、公園での散歩や自転車乗り等、外で体を動かす支援等に切り替えました。その中で感じたのは、たいむの皆が“命を守る”為に一致団結してコロナ禍での活動をしてきたことです。事務局・職員・パートナーさんと共に、ご利用者様と働く人の危険回避を念頭に行動して参りました。これからも用心深く行動して行きたいと思います。

また、タイムには多様な人材が揃っています。その一人一人の個性を活かし、ご利用者様に寄り添い、笑顔が耐えない楽しい支援が出来るように努力していきます。そして、皆が同じ目標「地域の方々と共に生きる」という、地域社会との共助を目指して日々努めて参りたいと思います。

移動支援
アリガトウゴザイマシタ

移動支援管理者 (K)

今年度から社会福祉法人『たいむ共生会』と名前を変え、新たなスタートとなりました。また、その新体制のもとで、引き続き移動支援事業を担当させていただくことになりました。今後とも、利用者様のご期待やご要望にお応えできるよう努力してまいります。

新型コロナの影響が長引き、明るい話題が少ないなか、何を書けば良いのか悩みましたが、先日担当した利用者様の支援でうれしかったことがありましたので、紹介させていただきます。

その日の支援も、終了時間が近づきご自宅に到着しました。手を振って「バイバイ」とごあいさつしてから車を降りますが、その日は「バイバイ」をしたあと早口でひとこと。『アリガトウゴザイマシタ』。聞きなれないことばで、始めはなんていったのか、ハッキリとは聞き取れていませんでした。そうこうしているうちに、再びいつもの大きな声の先程と同じ口調で『アリガトウゴザイマシタ』と。2回めのそれは、しっかり聞こえました(予期せぬことに返答できなかったぁ…)

過去の記憶をたどりましたが、『アリガトウゴザイマシタ』は私の中では初めてだったと思っています。ちょっとビックリでしたが、何よりもうれしかったです。今回のような経験は、今後の励みになります!

生活サポ
たくさんのありがとう…

生活サポート管理者 (T)

2年前…タイムの2階にトントントンと上がって、事務局を覗くと、社会福祉法人になるための書類の準備を、代表をはじめ上司の方々が毎日毎日行っていたのを目にしました。本当に大変だったと思います…。感謝です! その様子を見て、自分たちは誠実に一生懸命仕事をしようと思ったのを、覚えています。

NPO法人から社会福祉法人にかわっていく長い期間、ずっと変わらずタイムで働いてこれたのは、タイムの基本理念を信じてきたことと、一緒に働いてきた仲間たちに恵まれてきたからだと思います。福祉サービスの管理者の冨岡さんとは、パートナーの時代から一緒にタイムに入り、一番長い時間を共にしてきた仲間です。一度去って戻ってきてくれた仲間もいました。本当に皆さんに感謝です!

そして今、このコロナ禍の中で職を失う人が大勢いますが、変わらず私たちが働かせてもらえているのは、私たちを必要としてくれている利用者様のおかげだと思っています。ありがとうございます。

これからも利用者様、一人一人の個性と向き合い、良きパートナーとして、自然体で長く長く関わっていけたらと思います!

相談支援
『社会福祉法人』になって

相談支援管理者 (K)

タイムは今年の4月、特定非営利活動法人から『社会福祉法人たいむ共生会』になりました。『社会福祉法人は社会福祉事業を行うことを目的として社会福祉法に基づいて設立された法人です。公益性の高い非営利法人であり、社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実、効果的かつ公正に行う法人です』と、社会的責任がとても大きい法人になりました。『たいむ共生会』も社会福祉事業の主たる担い手となれるように、職員一同頑張っているところです。

相談支援事業所は今までと変わりなくやっておりますが、今年は新型コロナウィルス感染予防のために、緊急事態宣言中は面談を電話で対応させて頂いたりしました。利用者の皆様にはご協力頂き有難うございました。いつになったら新型コロナウィルスの感染が収束するかは分かりませんが、今は感染しないように一人一人が出来ることを地道にやりながら過ごして行くしかないと思っています。成長期の利用者様にとっては、学校が休みになったり、行事が中止になったりと、経験すべきことが削られたり、お友達とのふれあいが減ってしまったり、とても大きな影響を受けてしまい残念に思います。

今後も相談支援事業所は通常通りに面談の連絡などを致しますので、無理なさらないでいらっしゃって頂けたらと思っています。相談室ではお困りのことや辛いこと、嬉しかったこと、感動したこと等どんな小さなことでも話して頂けたらと思います。そして1つでも「そうか、分かった!」「来て良かった。」と思ってお帰りになって頂けるように、常に学び知識を身に付けて行きたいと思っています。

どうぞ御身体に気を付けて新しい年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします。

事務局
IT化の取り組み

労務管理者 (S)

昨年から今年にかけて、事務局一丸となって膨大な事務作業を続けてまいりました。そして4月から全ての事業が社会福祉法人たいむ共生会としてスタートすることができました。

NPOとは比べものにならない数の規程作り、会計の複雑さ、たくさんの管理簿等々、事務局もテンヤワンヤでした。しかも、今まで経験したことのないコロナ禍のなかで、環境整備や情報収集、助成金申請、関係機関との調整等の仕事も増えましたが、ご利用者様や職員の協力のもと何とか今日までやってこれました。

事務局では、社会福祉法人になってまずIT化に取り組みました。職員の勤怠管理をスマホを使って打刻してもらい、それが給与計算に繋がるようになりました。事業所間共有フォルダで書類のやり取りもできるようになり、最近はzoom研修、会議もできるようになりました。また、ホームページも新しくでき、ロゴマークも決まりました。

利用様にも職員にも愛されるたいむ共生会になるよう、縁の下の力もちとして事務局もその一翼を担っていきたいと思います。

報告1
久喜市女と男の共生セミナー事業
ドキュメンタリー映画
『ゆうやけ子どもクラブ!』

ドキュメンタリー映画『ゆうやけこどもクラブ!』には、ゆっくり育つ子ども達がいて、障がいのある子を理解するための地域の大人たちがいて、子どもにも親たちにも大切な「居場所」になっている姿が映し出されています。この映画を通して、「人と人のつながり」「地域での子育て」「学校でも家庭でもない第3の居場所づくり」「違いを超えた共生社会づくり」等々のことを、地域の方と考えたいと思い、今回『久喜市女と男共生セミナー委託事業』として、この映画の上映会を10月17日(土)に開催いたしました。

コロナ禍のなか、久喜総合文化会館小ホールには定員いっぱいの100名ほどの方が観に来てくださいました。お忙しいなか参加くださった皆様には、心より御礼申し上げます。皆さん、大変感動して以下のような感想をお寄せくださいました。一部紹介させていただきます。

【映画の感想】

「子どもたちの成長がよくわかりました。なくてはならない大切な場所ですね。長い時を一緒に過ごし、たくさん学んでいくんですね。良い映画をみることができました。ありがとうございます。」(女性・50代)

「人は人の中で育つ。待つことの大切さ。原点をあらためて感じました。」(女性・50代)

「とても素敵な作品をありがとうございました。息子も毎日デイを楽しみにしています。学校以上に楽しみにしています。指導員さんの姿を見させて頂き、とてもあたたかい寄り添いにうれしく思いました。そして、1人の子の成長を見て……、息子とかさなる部分がたくさんあり、これからが楽しみです。ありがとうございました」(女性・40代)

「気を長く見る・聞く大切さ、人権尊重の大切さ、今までの生き方はなんだった?と考えさせる点が良かった。」(女性・40代)

「あっという間の2時間でした。なぜか途中で涙が出てしまって。指導員の皆様、本当におひとりおひとり素晴らしいです。私もまだまだ、もっともっと頑張らなければと思います。子供達は、確実に、ゆっくりでも成長しているのですね。映画の中では見られない場面がたくさんあっての2時間だと思いますが、こんな素敵な映画が見られて良かったです。」(女性・60代)

「本日は上映会の開催ありがとうございました。障がいのある子どもにも、本当に色々な個性があるんだな、と実感しました。特に印象にのこったのは、ヒカルくんとカンちゃん。電車が大好きなヒカルくんは、後に人に対しての興味が湧いてきている描写があり、支援している方やご両親は嬉しかったのではないでしょうか。映画を観ている私も胸が熱くなりました。映画で写っている障がい児童への支援は一端で、本当はもっと困難なことも嬉しいこともあるのだと思いますが、このような温かい映画を製作された方々に拍手を贈りたいです。」(男性・30代)

「障がいのある我が子も30歳になりました。まだまだ悩みは尽きません、という日々を送っています。今日映画を観て、昔の子どもや自分の姿を思い出しました。泪が出ました。これからも頑張ろうと思いました。」(女性・60代)

報告2
各所でアート展!
色彩鮮やか、個性豊かで
ユニークな絵画等が展示!

11月いっぱい久喜市1階ロビーにて、『久喜市障がい者作品展』が開催され、かのんに通う8名の絵画とみんなで作った工作作品、わかばで生活されている(Y)さんの写真が展示されました。

11月25~27日、埼玉県庁にて『障害者絵画展』が開かれ、かのんに通う3名の絵画が展示されました。

12月2~6日、埼玉県立近代美術館にて『第11回埼玉県障害者アート企画展「Coming Art 2020」』が開催され、今年はタイムに通う(H)さんの作品が3点選ばれて展示されました。

今年もやります!『ぼくらのアート展』

昨年初めて久喜中央公民館で開催した『ぼくらのアート展』。非常に好評で、たくさんの「素晴らしかった!」という感想をいただき、朝日新聞と読売新聞にも掲載していただきました。さぁ~、今年も第2回『ぼくらのアート展』を令和3年2月1日~10日・久喜市役所ロビー内にて行います。普段デイ等で描いているものも展示しますが、それ以外でお家で描いたもの、創ったものがありましたら事務局までお寄せ下さい! 絵・工作・写真・手芸・書等、何でもOKです!

報告3
文化庁「子ども夢基金」事業
みんなで歌って踊って
演奏して『せぇ~の!』

平成28年から始まった、毎月第1日曜日に行われる『表現あそび・せぇ~の!』。声楽家でことば音楽療法士の先生を中心に、ピアノの先生、工作の先生の遊びが加わり、毎回様々な表現あそびを楽しんでいます。

参加者は、幼児から大人までの親子組やパートナさんとのペア組の異年齢集団3~40名ほど。年齢が違って、一緒に遊べるの?~と思われるでしょうが、これがまたそれぞれの年齢の良さを出し合い響き合って、とても温かな良い雰囲気を創り出しているのです。

今年はコロナの影響で3~6月までお休みさせていただきましたが、現在は検温・手指および足底消毒を徹底して、「ソーシャルディスタンスゲーム」なども取り入れ開催しております。

この12月には、スタッフの「和太鼓ワークショップをやりたい!」という要望から、太鼓の先生にもいらしていただき、和太鼓を叩きました。久喜特別支援学校から大太鼓3台、締太鼓2台をお借りしてのワークショップです。

どの子も、どの方も興味津々。ドーン、ドーンとお腹の底に響く音に、心地よさを感じていました。先生がタンバリンで示すリズムに合わせて「ドーン、ドーン、ドドドン、ドーン」と上手に叩いていました。アッという間の1時間で、皆さん、もっとやりたそうでした。身体全体を使って力いっぱい叩いたあとの笑顔が、とても素敵でした!

編集後記

こんな時代が来るとは夢にも思いませんでした。当たり前のことができなくなって、あらためて『当たり前』の大切さを知りました。そして、生まれてからずっと当たり前に過ごすことが難しかった障がいのある仲間たちは、ずっとこんなふうに生きてきたんだなぁ! と、その不自由さに思いを巡らせる機会になりました。皆さん、現在は「~をしたい、~に行きたい、~に会いたい、~を食べたい」等々のさまざまな欲求を抑え、『命』に向き合いながら不自由で不安な毎日を送っていることでしょう。しかし、明けない夜はありません! 今はじっと堪らえ、トンネルの向こうのかすかな光を信じて、とにかく生き抜きましょう!